人材が辞め始める前兆
人材が辞め始める前兆|障害福祉事業が静かに崩れるサイン
障害福祉事業の崩れ方は、突然ではありません。
赤字になる前に、
利用者が減る前に、
必ず起きる変化があります。
それが、人材の空気の変化です。
本記事では、実際に経営が悪化していった事業所で見られた、
「辞め始める前兆」を整理します。
前兆①|会話が減る
最初に起きるのは、対立ではありません。
沈黙です。
- 提案が出なくなる
- 雑談が減る
- 会議が形式的になる
これは「不満がない」のではなく、
期待をやめた状態です。
人は、不満があるうちはまだ辞めません。
無関心になったとき、静かに転職活動を始めます。
前兆②|「忙しい」が口癖になる
もちろん現場は忙しい仕事です。
しかし、
- 常に余裕がない
- 誰も改善を提案しない
- 忙しさの原因が放置される
この状態が続くと、
疲労は慢性化します。
慢性的な疲労は、
- 小さなミス
- 利用者対応の質低下
- 人間関係の摩擦
を引き起こし、さらに空気が悪化します。
前兆③|管理者が孤立する
崩れ始める組織では、
- 管理者だけが焦っている
- 経営者だけが数字を見ている
- 現場との温度差が広がる
という状態が起きます。
そして次第に、
- 本音が上がらなくなる
- 問題が報告されなくなる
この段階に入ると、
退職は連鎖しやすくなります。
前兆④|「あの人が辞めたら回らない」という声
特定のキーパーソンに依存している組織では、
退職は一気に不安を拡大させます。
問題は、
- 仕組みで回っていない
- 属人化している
- 役割が言語化されていない
という構造にあります。
一人が抜けると回らない組織は、
時間の問題で崩れます。
人材流出は「結果」であって「原因」ではない
経営が厳しくなると、
- 最近の若い人は続かない
- 福祉業界は人材不足だから仕方ない
と考えたくなります。
しかし実際には、
人が辞めたから崩れたのではなく、崩れ始めていたから辞めたという順番であることが多いのです。
人材が辞め始めると、何が起きるか
退職が出始めると、
- 採用コスト増加
- 教育コスト増加
- 残業増加
が同時に発生します。
これは加算の喪失よりも深刻なダメージになることもあります。
なぜなら、人材流出は信頼の低下を伴うからです。
崩れる前にできること
特別な施策は必要ありません。
重要なのは、
- 空気の変化を無視しないこと
- 月次で組織状態を振り返ること
- 「辞める前兆」を言語化しておくこと
数字より先に、空気が崩れます。
その段階で修正できれば、
赤字化も防げる可能性があります。
これから開業・拡大を考える方へ
事業計画には、売上や加算の設計は書きます。
しかし、
- 組織が崩れたときの対応
- 退職連鎖が起きた場合の想定
まで考えている事業所は多くありません。
長く続く事業所は、
人材が辞める前の兆しを前提に設計しています。
