「最初の1年」で経営が詰む障害福祉事業所の判断ミス

多くの事業所がつまずくのは、実は最初の1年です。この1年目に下した判断が、その後の3年・5年をほぼ決めてしまう。
本記事では、黒字化できずに苦しくなっていく事業所が
1年目に必ずと言っていいほど踏んでいる判断ミスを整理します。
「まだ始まったばかりだから」という危険な言い訳
1年目の経営判断で最も多いのが、この思考です。
- 今は準備期間だから仕方ない
- 来年から本気を出せばいい
- 最初は赤字でも当たり前
確かに、開業初期は赤字になることもあります。
しかし問題なのは、赤字そのものではなく「理由を分析しないこと」です。
「まだ1年目だから」という言葉は、
判断を先送りにする最強の免罪符になってしまいます。
判断ミス①|月次で経営を見ていなかった
経営が詰む事業所ほど、
月単位で数字を見ていません。
- 年に1回まとめて確認
- 税理士任せ
- 残高が減ってきてから焦る
障害福祉事業は、報酬体系上、
ズレが静かに蓄積していく構造です。
気づいたときには、
- 修正しても間に合わない
- 人件費を下げられない
- 加算構成を変えられない
という状態に陥ります。
判断ミス②|「人を入れれば回る」と思ってしまった
1年目でよくある判断が、
問題が起きる → 人を増やすという対応です。
しかし、
- 人が増える=管理コスト増
- 教育・引き継ぎの時間増
- 固定費の上昇
これらはすべて即効性のない負担です。
本来検討すべきなのは、
- 業務設計が歪んでいないか
- 役割分担が曖昧ではないか
- 管理者がボトルネックになっていないか
人を増やす判断は、
最後に選ぶ手段であるべきです。
判断ミス③|「支援の質」と「経営」を切り分けなかった
1年目の経営者が最も悩むポイントです。
支援の質を落としたくない。
でも数字が合わない。
この葛藤を感情の問題として処理してしまうと、
判断を誤ります。
重要なのは、
- 支援の質を守るための経営判断
- 経営を守るための支援設計
この2つを別の軸で考えることです。
1年目でこの切り分けができなかった事業所ほど、
後半で一気に疲弊していきます。
判断ミス④|「軌道修正はいつでもできる」と思っていた
実際には、軌道修正には期限があります。
特に障害福祉事業では、
- 人員配置
- 加算構成
- 職員の期待値
これらが固定化されると、
後から変えるコストが急激に跳ね上がります。
1年目の後半に「そろそろ考えよう」と思った時点で、
すでに選択肢はかなり狭くなっています。
1年目で本当にやるべきだったこと
経営が詰まなかった事業所は、
派手なことをしていません。
代わりに、次のことを徹底していました。
- 毎月、数字と現実を並べて見る
- 「想定と違う理由」を言語化する
- 修正判断を小さく、早く入れる
1年目は、成功する年ではなく、
失敗を小さく済ませる年です。
開業前・開業直後の方へ
「最初の1年」は、
やり直しが効く唯一の期間でもあります。
今このタイミングで、
- どこで判断を入れるのか
- 何を見て経営を判断するのか
を整理しておくことが、
結果的に事業を長く続けることにつながります。
